Ruby on Railsが使えるサーバー比較
Ruby製のフレームワークとして人気の「Ruby on Rails」。Railsはレンタルサーバーでも使えるのか?、Railsを運用するのに最適なサーバーはどれかを比較します。
更新日: 2023.12.15公開日: 2022.3.1
Ruby on Railsが使えるサーバーの探し方
Rubyが使えるサーバーは原則Railsも使える
Rubyのフレームワークである「Ruby on Rails」は、Rubyがインストールされている・インストール出来るサーバーであれば「原則」使うことが出来ます。
ただし、Ruby on Railsは構築したアプリケーションファイルをアップロードすればOKというわけではありません。Ruby on RailsをWebアプリをとして公開するには、
- サーバーにSSHログインする
- アプリケーションをビルドする
- Railsサーバーを起動する
という手順が必要になります。
先ほど「原則使える」という書き方をしたのはこの点で、共有レンタルサーバーにはRubyがインストールされていますが、アプリケーションのビルドとRailsサーバーの立ち上げという点で、ほとんどの共有レンタルサーバーではRuby on Railsが使えません。
一部の共有レンタルサーバーはSSHログインが可能なので力技でRailsアプリを構築したユーザーの方もいらっしゃいますが、動作が遅かったりビルドに時間がかかったりと、労力を考えるとあまりコスパは良くありません。
メモリなどのサーバースペックにも注意しよう
Ruby on RailsはWebアプリケーションフレームワークの中でも比較的メモリを必要とするフレームワークです。そのため、サーバーに割り当てがされているメモリが少ない場合、実用的な速度で動作させることが出来ないことがあります。
特に、中規模から大規模のRailsアプリは、アプリ自体がどんどん大きくなっていくので、大容量メモリのVPSなどを選択すると良いでしょう。
サーバータイプ別、Ruby on Railsが使えるサーバー比較
次にサーバータイプ別にRuby on Railsが使えるサーバーを比較してみます。
サーバータイプ | Ruby | Ruby on Rails |
---|---|---|
共有レンタルサーバー | ◎ | - |
VPS | ◎ | ◎ |
サーバーレス(PaaS) | ◎ | △ |
専用サーバー | ◎ | ◎ |
現在のサーバーはほとんどでRubyを使うことが出来ます。しかし、Railsサイトを実用的な範囲で運用するとなると、VPS以上のサーバーが必要になると思っておいた方が良いでしょう。
Ruby on Railsにはどのタイプのサーバーが良い?
コスパが高いのはVPS
Ruby on RailsのWebアプリケーションを稼働させるサーバーとしては、VPSが一番コスパが高くなります。VPSは月額400円程度からレンタルが可能で、しかもサーバーリソースを確保できるので、最適なスペックを選べば格安でRailsアプリを運用できます。
ただし、VPSは専用サーバーなので、サーバーのメモリ管理やOS管理などを自分でやる必要があり、Linuxの知識が必要になってきます。
VPSをレンタルするなら、月額297円からレンタル可能なNTT WebArena Indigoが一番コスパが高く、Railsのテンプレートイメージが用意されているConoHa VPSが最速スタートで使うことが出来ます。
¥ 319〜公式サイト
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NTT PCが運営するVPSサービス。国内最安値である月額319円からの激安プランが特徴で、「安いのに普通に使える」VPSサービスとして人気急上昇中。
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多様なOSと機能でクラウドみたいに使えるハイコスパVPS
Conoha VPSは、コスパの高さと使いやすさで人気のVPSサービス。豊富なテンプレートイメージですぐにアプリケーションを起動できるほか、ゲームサーバーとしても人気です。
簡単かつ安定運用するならPaaSがベスト
Ruby on Railsアプリを簡単で安定運用させるなら、現在ではPaaSがベストチョイスです。
PasSはRailsなどのフレームワークを安定運用させるための仕組みが揃っているので、PasS側にアプリケーション・データを送るだけで、ビルドからサーバーの立ち上げまで全てを全自動で行ってくれます。Railsに最適化したサーバーをサービス側が構築してくれるので、サーバーの管理コストも不要です。
PaaSのトップランナー・HEROKUは、無料プランこそ廃止されてしまいましたが、使い勝手の良さからRailsサービスの本番運用でも使われるサービスです。
$ 0〜公式サイト
HEROKU
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ホビーから大規模まで対応するPaaSのパイオニアHEROKU。
Ruby on Railsを動かすのは、VPSとPaaSはどちらが良い?
こうして見ると魅力が大きいPaaSですが、唯一のデメリットはコスト。多くのサービスが格安なエントリープランを用意していますが、ある程度の規模のRailsアプリケーションを運用するとなると、上位プランへのアップグレードがほぼ必須になります。
サービスにもよりますが、上位プランの価格は同等スペックのVPSと比較する2〜3倍くらいの料金設定となっているため、スペック対比で考えると割高です。ここは「Railsが安定動作するサーバー構築や保守のコスト」に相当する部分です。
一方で、VPSは格安で運用ができますが、サーバー構築とRailsを安定運用させるためのチューニングが必須です。LinuxやRailsの知識や経験が豊富なのであれば問題ないですが、知識や経験がないと「調整時間というコスト」が膨大にかかったり、サーバーが不安定になってサービスのアクセスや売り上げに影響が出る可能性もあります。
Linuxサーバー初心者は迷わずPaaSを選ぼう
VPSなどのLinuxサーバーは慣れればそこまで難しいものではないですが、慣れるまでにある程度時間がかかる部分があります。
Linuxサーバーの管理を勉強したいのであれば別ですが、Railsアプリを動かすことが目的ならば、初心者の方は迷わずPaaSを選びましょう。
HerokuなどのPaaSサービスは初心者向けの無料プランや低価格が用意されているので、そちらを使うことでVPSと遜色ないくらいのコストでRailsサイトを運用できます。
Linuxサーバー中級者以上ならVPSがベスト
LinuxサーバーでRubyアプリケーションを安定運用させる知識・経験があるのであれば、コスパが高いVPSがベストです。最近では、Dockerコンテナで一発でRails環境を構築することも可能なので、契約から1時間以内で本番環境を構築することも可能です。
Railsはメモリを大量に消費するフレームワークなので、サイトの規模やアクセスによって必要なスペックが上がっていきます。そのため、VPSを選ぶ際はプランアップグレードが出来るVPSサービスを選ぶようにしましょう。